トイレをタンクレス風にDIY|本格的な板貼り仕上げを低予算で実現!

2021/08/14

タンクレス風DIYサムネイル

我が家のトイレは設置から40年近く経つ年代物。パッキンの劣化や便器のがたつきで臭いが上がってくるなど不具合が色々と目立つようになってきたので、便器本体を交換することにしました。

めったに交換するものでもないので、ついでに床と壁もDIYでイメージチェンジ!トイレのタンクを隠してタンクレス風にも挑戦してみましたので、どなたかの参考になれば幸いです。

タンクレス風トイレを目指したDIYのビフォーアフター

早速ですが、リフォーム前とリフォーム後のビフォーアフターがこちら。

タンクレス風DIYビフォー
ビフォー
タンクレス風DIYアフター
アフター

ビフォーと比べて見た目はもちろん大きく変わりましたが、棚や物置が増えたので収容能力がかなりアップし実用性も高くなったこともポイントです。

今回、便器自体の交換はプロにお願いしましたが、DIYで行った部分との関連もありますので一応解体から軽く触れていきます。

壁の解体・トイレの撤去と補修

当初はパイプスペースの壁とトイレタンクとが干渉していました。
ホコリが溜まっても掃除できないし、湿気で壁紙が剥がれてきていたのに手が入らないので、補修もできません。

既存トイレの問題点

このトイレは今まで交換されたことが無いので、40年前の新築当時からこの状態ということです。便器を交換したくて業者さんに見に来てもらっても、壁とタンクの距離が近すぎて設置できる便器がありませんでした。

どうしても便器は交換したいので、ここの出っ張っている壁を容赦なくカット!

干渉部分の壁を解体
べろーん

切ってみると太いパイプが出てきたのでそれほどスペースに余裕はないですが、これで見てもらってようやく交換できそうなトイレが1つ見つかりました。もちろんタンクレスのオシャレなやつじゃない普通のやつで。

交換はクッションフロアの交換とセットでプロに依頼しました。

既存トイレ便器を撤去
古いトイレを取って
既存クッションフロアを撤去
クッションフロアを剥がして
トイレにヘリンボーン柄のクッションフロアを新設
クッションフロアとトイレを交換

ここはまぁプロの仕事なのでサクッと紹介しましたが、床のヘリンボーン柄のクッションフロアは自分で選びました。

この時はまだどんな風にタンクレス風にDIYするかデザインを決めていなかったのですが、このヘリンボーン柄に合うようなヴィンテージっぽい雰囲気にしたいなぁと想像が膨らみます。

解体した壁の補修

新しいトイレも設置したので、壊したパイプスペースの壁を補修しなくてはなりません。スペースが狭くインパクトドライバーが入らないので、角材をヨコに積み上げるように壁を作りました。

下地の壁を造作1
側面は合板ではビスが打ち込めないので固定できません。DIYは想定外のことがよく起こるので、発想や対応力も鍛えられる気がします。
下地の壁を造作2
新たに作る壁はギリギリまでパイプに寄せてすき間は約10㎜。写真が無いのですが正面はインパクトが使えるので合板を切ってフタをしました。

壁の補修と下地はこれにて終了。ですがどんな仕上げにするかまだイメージが付かなくて、数か月この下地状態で放置していました。

タンクレス風トイレにするために参考にしたデザイン

あるお店の外観にふと目が止まりました。
床のヘリンボーン柄とも相性が良さそうだし、ヴィンテージ感も◎。

REAL MCCOYS 店舗の壁デザイン
一歩間違えれば汚くも見えてしまいそうですが、不思議と汚れや色のランダムさが味に感じます。
REAL MCCOYS 店舗の壁デザインのアップ
近くで見ると厚みもバラバラ。この不規則さがなんともいい味を出しています。

こんな風に家のトイレ壁も出来たらいいなーっとインスピレーションをもらいました。
こういう不揃いのデザインは、ぱっと見荒も目立ちにくそうという意味でも素人仕事な私にピッタリ。

固まってきたタンクレス風DIYのデザインイメージ

タンクレス風にDIYですが、タンクの隠し方には大きく分けて2つのパターンがあると考えています。

1、タンク、手洗いを全部隠して、手洗いを移設する大掛かりなタイプ。

これは便座以外はすべて隠せるので、自由度が高く完全にタンクレスに見える方法です。ただし、レバーや手洗い場の造作が大変。

2、手洗い部分はそのまま使い、タンクのみを隠す簡易的なタイプ。

手洗い部分の造作が不要になるので作業は楽にはなるものの、DIYの範囲が少なくなる分、誰かと似たようなデザインになりがちなので自分なりの工夫が求められる。

私の場合は、 めんどくさいので メンテナンス性を考慮し、2番目の手洗いを残したタンクのみを隠すタイプにしました。

コンセプトとしては、出来るだけ耐久性が落ちないようノーマル状態で使用して、なるべく現状復旧も可能な作り、です。やっぱり耐久性や操作性はノーマルが一番いい。いくらデザインがかっこよくても、頻繁にメンテナンスが必要だったり使い勝手が悪くなったりしては本末転倒ですからね。

現状復旧については、賃貸ではないので必須ではないのですが、また気分が変わって違う形に作り変えることは大いにありえます。その際に簡単にバラせたり、補修の必要がなければ楽だからという理由です。

天板の納まりとペーパーホルダーからつながるデザイン

天板の板とタンクとの納まりは難しく、タンクに沿って天板をきれいに切るのは至難の業で、到底私のDIYレベルでは出来なさそうです。

フタを開けてみると、何とか板を挟み込む形で成り立ちそうでしたので、その方向で進めることにします。

天板とタンク部分のイメージ図
この納まりは、フタが天板の厚み分上に上がるので、水道の接続に漏れが出ないか要注意です。

当時考えていたことをイメージするとこんな感じ。

トイレの要望を込めたイメージ図
書き忘れましたが下の方に掃除用具を収納するスペースを作りたい、というのもありました。

イメージが固まってきたので、近くのホームセンターで幅1820×150×14mmと、 1820×120×14mm の手ごろな杉板を買ってきました。

天板の幅は250mmくらい欲しいですが、一枚板だと高くなるので2枚を抱き合わせて1枚に見せるコスパ重視の方法で行きます。

天板と棚の作成

天板の木材カット前
天板の板にフタのあたりを付けて、そこをはみ出さないように切り込みを入れます。
天板の木材カット後
タンクのフタを外して天板を置きます。昔のトイレのタンクは単に水が溜まっているだけでしたが、今のタンクは中がごちゃついています。

この方法だと、かなりいい加減にくりぬいてもフタを閉めてしまえば、汚い部分は隠れて見えなくなります。ちなみに、一枚板だとくり抜くのも設置も大変なので、加工しやすいように2枚の板を突き合わせて使っています。

天板とトイレタンクの納まりアップ
天板にフタをかぶせているので切り口が見えずにキレイな納まり。

天板をフタとタンクで挟み込むのでそれだけでも見た目は形になるのですが、天板の端に物を置いたりするとガタつくので下に支えが必要になります。

天板を置くための支えを設置1
現状復旧できるようにとか言いながらビス打ち込みました。
天板を置くための支えを設置2
現状復旧の話はなくなったようにビスを打ちます。

天板の下にも支えを設置。天板の横ラインを生かすために3段作成しました。横側の長い板はL型金具で固定しています。

棚と天板設置
横のラインが強調されて締まりました。

天板の横ラインはデザインだけではなくて、この狭い空間に棚と収納スペースも作り出すことが出来るという機能性も持ち合わせています。まだタンクの存在感が残っているので壁板を貼ってさらに隠していきます。

天板は水もかかる部分なので、ウレタンニスで塗装しました。

壁に杉板を貼り付ける

とりあえず棚がある程度形になったので、正面の壁を5ミリという薄い本物の木材を使って仕上げていきます。

壁に杉板を貼る
5mmの極薄杉板をランダムに貼り付けていきます。
5mmの板の裏は布両面テープ
布タイプの両面テープを使用して、釘やビスを使っていません。

杉板はウッドプロさんから購入しました。

http://www.ashiba21.com/t-5cn.html

アウトレット品の安いやつです。厚みは5ミリと薄くて軽いので、ビスや釘で固定しなくても、両面テープで十分くっついてくれます。

布両面テープ

幅も高さもバラバラになるようにカット。カットはのこぎりを使わずともカッターで切れるので楽です。

色はあらかじめ、黒、こげ茶、白、に塗っておきました。塗料は元々持っていたこげ茶のステイン以外はダイソーで水性塗料で安く済ませました。無塗装の色と合わせると4色を使い分けて、同じ色が一カ所に集中しないよう全体のバランスを見ながら貼っていきます。

デザインを参考にした店舗の壁板のように、本当は厚みも2、3種類作ってバラバラにしたかったのですが、分厚くなるとその分重くなるので両面テープだけの固定では心配なのと、ホコリが溜まった時の掃除が面倒そうということもあり止めておきました。

杉板をランダムに壁に貼る
縦の目地が揃うとキチっと見えてしまうので、バラバラに揃わないよう意識して貼っていきます。

既存の棚もそのままだと黄ばんだような白で違和感があったので、こちらも両面テープで一枚板に見えるように杉板を貼っていきました。

既存の棚板に杉板を貼る
棚の側面と下面だけを板で化粧しました。上面は見えないので元のままです。
既存棚板の納まり
単純に棚に木を張っただけですが、分厚い一枚板のような雰囲気に仕上がました。
トイレタンクを杉板で隠す
タンク前にも杉板を貼って胴体部分を隠します。レバーも天板の影になって実際はほとんど見えません。
トイレタンクと板の隙間
タンクに沿ってカットするのは難しいので直角にカット。正面に杉板を貼っているので、タンクと棚板のすき間が上手く隠れてくれています。

物置スペースに扉設置

下の部分は大きなスペースが出来るので、少し面倒ですが扉を付けて掃除道具などを入れる物置にすることにしました。右側はパイプスペースでほとんど空間が無いので、収納スペースは左側だけです。

フレームはロの字に木枠を組んで壁にビスを打ち込んで固定。

収納扉の下地フレーム
原状復帰を諦めるダメ押しの一発です。一応簡単にばらせるのでいいでしょう。
収納扉を開けたところ
杉板の裏に3ミリの合板をボンドでくっつけて扉として使えるようにしました。
収納扉を閉めたところ
ヒンジや取っ手は100均で購入。扉は木目や色がつながって見えるように同じ板をつなげて使用しました。

洗剤や掃除道具を入れてもまだ余裕があるくらい収納スペースは広いです。扉の裏に使った3ミリの合板ですが、薄すぎて若干たわんでいるので、もう一段階厚くした方がいいかもしれません。

完成後の細かな納まり部分アップ

まとめ

タンクレス風DIY完成写真
使用イメージ。

DIY部分にかかった費用

今回は便器交換というプロの仕事も入っていますのでその部分は入れずに、壁板、棚板などのタンクレス風にするのにかかた費用です。

  • 5ミリ厚杉板 8,000円くらい(半分以上余った)
  • 杉板 1820×150×14mm 1本 1,419円
  • 杉板 1820×120×14mm 1本 1,380円
  • 角材諸々 余りもの
  • ヒンジ、取っ手 220円
  • ウレタンニス 710円
  • 塗料 220円
  • 布両面テープ 600円くらい

うるおぼえの部分もあるのでざっくりですが、合計すると12~13,000円くらいということになりました。価格のほとんどは5ミリ厚の壁板が占めていますが、半分以上余ってしまいましたので使った分だけで計算すると8~9,000円くらいでした。

これだけ大掛かり(に見える)なDIYをして実質1万円かかっていないので、個人的には大満足です。

DIYに使用した道具

使った道具から見ても、今回はそれほど難しい作業をしていないのが分かりますね。
DIYをする方なら全て必須級に使うレベルの物なので、もしまだ持っていない物があれば買い揃えることをおすすめします。

リアルな使い勝手

横の棚にはトイレットペーパーが収納でき、うっかり紙を切らした時でも座りながら交換可能。それにスマホを置いたり肘置きにしたりなど使ってみてとても便利でした。

タンクレバーについては使い勝手を損なわず、自然に隠すという部分にこだわってデザインしましたが、初めての方は先に説明しておかないとレバーがどこにあるのか分からないというのが改善部分でもあります。

このトイレのDIYを行ってから実は2年以上が経過していますが、現在までノーメンテで完成当時と変わらない見た目で使用できています。構造的にいじった部分は無いので、今後も大きな問題は出なさそうですし、総じて満足しています。

材料も道具も技術も、ごく一般的なものでタンクレス風のDIYをすることが出来るので、トイレの模様替えやイメージチェンジをお考えの方におすすめです。

2021/08/14