リュックに取付けるファン【COOL PACK02】をレビュー|背中の暑さ対策
暑い夏の日に、リュックを背負って出かけて後悔した方、結構いるんじゃないでしょうか。
リュックのせいで熱の逃げ場がない上に、自分の汗で加湿され背中だけサウナ状態。不快というだけでなく、熱中症になるリスクも高まりますし、リュックを降ろしてもびっちゃびちゃの背中を見られるのも恥ずかしいですよね。
でも、リュックは両手がフリーに使えるし、荷物もたくさん入れられるし、便利なのでどうしてもリュックを使いたい!という方にばちこりと刺さるのが、今回レビューするリュックに取付けるファンです。
私も大のリュック派なので、背中の暑さには長年悩まされていたのですが、この「COOL PACK02」を使うと、ガチで背中の蒸れや熱がこもる不快感を劇的に解消することが出来ました。
ただ、良い点ばかりではなく、イマイチな点など実際に使用してみて感じた部分もありますので、商品選びの参考にしていただければ幸いです。
目次
空調リュック COOL PACK02 とは
今回レビューする商品は、空調リュック COOL PACK KRKS02というモデル。リュックに装着するだけで背中にたまった熱や湿気をファンにより排出し、常に快適にリュックを背負うことができるという商品です。
背中の温度を-6℃も低下させられるその技術は『生理クーラー理論』といい、かいた汗を強制的に気化させることによって表面温度を下げる技術なのだそう。
メーカーのページが一番分かりやすいので、お時間ある方はこちらをどうぞ。
こういう商品をAmazonや楽天で検索すると、大抵怪しげな中華系の商品がヒットすることが多いのですが、こちらのCOOL PACKは(株)空調服が販売する日本メーカーの製品となっています。
会社を調べると、現場で働くお兄さん方が着られている空調服(ファン付の作業着)は、ほとんどこの会社が製造しているという業界内では超大手の会社でした。これは効果も信頼できそうです。
商品の購入から開封までの流れ
愛用のリュックにクーラー機能をプラスできるというこの商品を、楽天にて購入しました。実際に商品を受け取ってから開封までの流れをどうぞ。
注文から次の日に到着
いくつか販路のある中で、私はメーカーが直営する楽天店舗で購入しましたが、注文の次の日には手元に届くというスピード感。
欲しいと思ったタイミングですぐに届く、素晴らしいですね。
顧客満足度の中でもレスポンスや対応の速さは重要です。この発送までの迅速な対応には、今後何かあってもこのスピード感で対応してくれそうという安心感が生まれます。
開封
一番外箱を開封したところ、緩衝材と本体箱と納品書、説明書が入っていました。緩衝材は入っているものの少し遊びがあります。とはいえ、精密機械でもない上にもう一つ箱で梱包されているので多少動く程度は全く問題ないと思います。
商品箱から中身を取り出したところ。OPP袋に包まれていました。こちらも特に問題なし。
- 本体(ファン、ケーブル込み)
- 付属の電池ボックス
- 使用上の注意が書いた紙
- 乾燥剤
電池は入っていませんでしたので、動かすには別途単三電池が4つ必要なので、あらかじめ準備しておきましょう。
汗で比較テストしてみました
早速部屋の中で取り付けて背負ってみましたが、Tシャツの上から若干の風を感じることはできるものの、汗をかいていないので生理クーラー理論が働かず、特に涼しいと感じませんでした。やはり効果を見るためには汗をかくほど暑い状況で使用する必要があるようです。
そこで、毎日汗だくになっている通勤時が、比較するにはちょうど良い条件のためテストしてみました。
- 付属する電池ボックスを使用、風量は強モード
- クロスバイクで山道ありの片道約30分の道のり
- スタート時刻は、装着時は18時00分ごろ、非装着時は8時30分ごろ、同日に測定
- 当時の気温は、道路に表示されている気温でどちらも28℃
※気温などなるべく条件は揃う日を選びましたが、全く同じではありませんので、参考程度に見て頂ければと思います。
空調リュックなしで30分走行後
これがいつもの日常なのですが、ファンがない状態では背中が蒸れて、熱がこもって不快感マックスです。お見苦しいですがTシャツもびしょびしょ。
リュックと背中が密着しているので、何も対策をしなければこの汗を回避する術はありません。
空調リュックありで30分走行後
腰のあたりが若干湿っていますが、非装着と比べると汗の少なさは一目瞭然。
なぜか、クールパックの範囲外である肩ひもや脇の汗も濡れている範囲が小さくなっている気がします。背中が冷やされることで体温上昇が抑えられ、全身の発汗が抑えられたのかもしれません。
確かに、汗をかいた場所にファンによる風が当たりとても気持ちが良かったです。ただ、汗が乾燥してきたのか、しばらく使っていると涼しいという感覚がなくなりました。正確には、暑くない時期に背負っているときと同じ感覚で背負えている、といえば少し大げさでしょうか。
自転車で使用する分にはファンの音も聞こえないし、背負い心地も普段と全然変わらなかったので、本当に馴染んでしまって装着しているのを忘れてしまうほどです。
COOL PACKを使用してみて感じたメリット・デメリット
やっぱり気になるのは、実際のユーザーの声。ほぼ毎日使うヘビーユーザーの私が感じるメリット、デメリットをご紹介します。
- 手持ちのリュックに簡単に取付けられる
- オシャレさはないが黒いリュックと良くなじむ
- 大型ファン搭載で大風量
- 外気を取り込めるファンの位置
- 部品は全て取り外せて洗濯可能
- 軽い
- 重い荷物を背負っていても潰れず風が通る
- 良く考えられた空気穴の位置
- ファンの音が結構する
- リュックを背負ったまま電源操作ができない
- 電池の残量が分からない(付属の電池ボックス使用時)
- モバイルバッテリーが使えない端子形状
- 価格は高め
- 肩ひもの部分は蒸れる
ではそれぞれの項目の理由を解説していきます。
空調リュックの良かった点(メリット)
手持ちのリュックに簡単に取付けられる
探せばファンが内蔵されているリュックもあったのですが、デザインが好みじゃないし、冬で稼働させない時期でもファンを強制的に持ち歩かされるのは無駄を感じてしまいますよね。
このクールパックは、大抵の手持ちのリュックに取付けられるという汎用性の高さがウリの一つでもあります。
しかも、2カ所のバックルをパチっと留めるだけで装着可能と超簡単。あらかじめリュックのサイズに合わせてベルトを調整していれば、以降は数十秒で脱着できます。
オシャレさはないが黒いリュックと良くなじむ
この手の商品は、オシャレ見えるデザイン性よりも控えめで目立たない方が良いと考える方の方が多いのではないでしょうか。
お手持ちのリュックの材質や色によるでしょうが、私のリュックには素材感や色がマッチしていたので良かった点として挙げさせてもらいました。
ちなみに、 COOL PACK02の色はブラックしかありません。
大型ファン搭載で大風量
ファンの数は1つですが、口径が大きく最大出力にするとそこそこの風を感じれます(特にリチウムイオン電池使用時)。
もしファンが壊れても、部品単体で販売されているので簡単に交換することが出来る構造になっています。
外気を取り込めるファンの位置
吸気する位置が背中面ではなくサイドについているので、外から新鮮な空気を取り入れることが出来ます。背中面にファンが付いている商品もありますが、それだと熱く湿った空気を循環させていることになり効果が下がります。
また、何かを巻き込んだりしないようファンにはメッシュ生地でカバーされています。
部品は全て取り外せて洗濯可能
ファン、ケーブル、スペーサーを全て取外しできるので、生地の部分だけになった本体を洗濯することが出来ます。
汗で汚れやすい商品だからこそ洗濯できるように設計したというのは、日本メーカーならではの気配りかもしれません。
軽い
この手の商品は軽いほど負担が軽減するし、どこにでも持って行こうと思えますので、重くないことが最低条件です。
メーカー公称によると約465gとのことですが、実際にはこれに電池が入るのでもう少し重くはなります。電池込みで実測すると554gとペットボトル約1本分。どこへ持って行くのにも苦にはなりません。
重い荷物を背負っていても潰れず風が通る
前傾姿勢強めのクロスバイクによく乗るのですが、重い荷物を背負うとかなりの圧力が背中にかかります。そんな状況でも、風の通り道が潰すことなくしっかり背中全体に風を送ることが出来きるのは、特許をも取っているというスーパースペーサーという独自開発素材がポイントなのだそう。
触った感じはプラスチックで硬いのに、背中の微妙なカーブにも良くフィットしてくれます。元のリュックと同じ背負い心地で、良い意味で存在感はありません。
良く考えられた空気穴の位置
背中に接する面は全面でメッシュ素材になってはいますが、空気が抜ける部分は実は限定されています。
それは、背骨に当たる中心部分と、左右3カ所ずつの計7か所。
その穴以外には風が抜けないように設計することで、逆に背中全体に効率よく冷やすことが出来るんですね。通気が全面では風の力が散ってしまい、背中全体に風を送ることは困難でしょう。
特に効果を感じるのは、背骨のくぼみに合わせて縦断するように開いた部分で、穴の形やサイズは考え抜かれているのだろうなと感心しました。
空調リュックのイマイチな点(デメリット)
ファンの音が結構する
外で使用している分には全く音は気にならないのですが、室内や電車やバスなど囲われた中だと結構音大きく感じるかもしれません。
電車で使用してみた感じだと、風量を弱にしても混んでいるとファンが回ってるなーという音は若干聞こえます。ただ、手持ちのファンを回している人も結構いたりするので、周りはそんなに気にしていなさそうではありますが。
リュックを背負ったまま電源操作ができない
電源のオンオフ、風量の切り替えの際は、背負ったままでは操作できないので一度降ろすか片側の肩ひもだけ外して操作する必要があります。(昇圧ケーブルを使えば可能)
電池の残量が分からない(付属の電池ボックス使用時)
目安の連続使用時間の表記はありますが、毎日ちょこちょこ使うものなので、あとどれくらい残っているのかはなんとなくの感覚になってしまいます。いつ電池が切れるのかハラハラしながら使うのは精神衛生上良くないですよね。(モバイルバッテリーを使えば確認可能)
モバイルバッテリーが使えない端子形状
電池ボックスとつながっているケーブルは、USB端子ではなくDCプラグなので、基本的には手持ちのモバイルバッテリーとは繋げられません。
汎用性の高いUSB端子にしない理由は、電圧が足りないなどの問題があるかもなのですが、単純にオプションのリチウムイオンバッテリーを売りたいだけなんじゃないかと勘繰ってしまいます。
裏技として、昇圧ケーブルを導入すれば手持ちのモバイルバッテリーでも使えるようにはなります。こちらは後述します。
価格は高め
さすがは日本のメーカー製ということだけあって、販売価格も7~8千円とそこそこのリュックが買えそうな価格です。
自分で稼いでいる社会人ならまだしも、おこずかいの中でやりくりする学生さんの購入ハードルは高いでしょう。
肩ひもの部分は蒸れる
背中への効果は抜群の商品ですが、それ以外の部分(肩ベルト下や脇、顔周りなど)はファンの風が当たらないので当然汗かきます。
昇圧ケーブルでモバイルバッテリーにつないでみた
昇圧ケーブルを使用することで、自前で持っているモバイルバッテリーと空調リュックをつなげて駆動させることが出来ます。端子をぶすっと差すだけで取付も簡単。
ただし、こちらの方法はおそらくメーカーの推奨していることではないとは思いますので、試される際は自己責任でお願いします。
昇圧ケーブルってこんなやつです↓
- 風量が強くなる
- 背負ったまま電源操作、風量調整が出来るようになる
- 電池残量が見えるようになる(お手持ちのモバイルバッテリーの仕様による)
- モバイルバッテリーを持っていれば昇圧ケーブルは1,000円前後で購入できる
昇圧ケーブルを使うメリット
風量が強くなる
モバイルバッテリーにつなげると、今までの強(弱・中・強の3段階)と、モバイルバッテリーの強がほぼ一緒か、ややモバイルバッテリーの方が風量が強い感じです。
モバイルバッテリーでの最大レベルはかなり風を感じることが出来ますが、私の使用条件では過剰性能でそこまでの風量は不要でした。汗の実験もしてみましたが、中と強では汗の乾き方がほとんど変わりませんでした。
今までの強でも十分だと思っていたのですが、一度この風量を経験してしまうと電池パックには戻れません。
背負ったまま電源操作、風量調整が出来るようになる
これ地味なんですけど、めちゃくちゃ便利になりました。
歩いていてだんだん暑くなってきたから風量を強くしたり、電車に乗ったので少し風量を落としたりなど、意外に電源をON、OFFしたい場面、あるいは風量を変えたい場面が多いのです。
それを、わざわざリュックを降ろして操作はやってられないので、こちらも一度経験していしまうと前の状態には絶対に戻りたくない機能ですね。
電池残量が見えるようになる
大抵のモバイルバッテリーには、電池残量が表示される機能が付いているかと思いますので、その機能を使って確認可能になります。
これで、忘れない限り使用中に電池切れというリスクを大きく減らすことが出来ます。
昇圧ケーブルは1,000円前後で購入できる
純正のリチウムイオンのセットだと7~8,000円もするので、それから比べればかなり格安です。1,000円ほどでこの数々のメリットが手に入れられるのなら、個人的には必須ですね。
ただし、お手持ちにモバイルバッテリーがない場合はそれも購入する必要があります。モバイルバッテリーは2~3,000円で買えますので、合計しても純正よりも全然安いですね。
昇圧ケーブルの選び方のポイント
- 風量調整ボタン
- USB端子(モバイルバッテリーの仕様による)とDCプラグになっている
たくさん商品があるのですが、上記二点をクリアしていれば、あとは価格で安いものを選べばよいかと思います。
類似商品もあるよ【RuCool2】
夏の時期、リュックを背負う人はみんな背中の暑さと戦っているので、この手の商品は需要ありそうなのですが、意外にも類似商品は少なくクラウドファンディングで出来た”RuCool”という商品だけでした。
RuCool2とCOOL PACK02の比較
仕様表を見比べ、特徴的な部分を比較にしてまとめました。風量は各メーカー単位が違いましたので、比較しやすいようℓに変換しています。
COOL PACK02 | RuCool2 | |
価格(最安値) | ¥7,425 | ¥5,478 |
重量 | 465g | 400g |
風量 | 24.4ℓ/秒 | 2.38ℓ/秒(×2?) |
電池の端子 | DCプラグ | USB Type-A |
洗濯 | 可能 | 不可 |
メーカー名 | (株)空調服 | (株)ロングフィールド |
リュックールを選ばなかった理由
こうして比較してみると、一見RuCool2の方が安くてUSBにも対応しているのでよさそうに見えますが、ちょっと待った!!
価格だけで選んで後悔しないよう、私がRuCoolを選ばなかった理由を次に共有しますので、それを見てから決めましょう。
- 開発、製造は中国
- ファンが2個でも風量が少なすぎる
- ファンが背中面にあることで背負い心地に影響あり
- 商品ページのレビュー評価が悪すぎる
開発、製造は中国
こちらの商品は、クラウドファンディング生まれの日本が企画した商品ですが、その開発と製造は中国となっています。
中国だから悪いということではなくて、洗濯が出来なかったり、風量が弱かったりなど、日本の需要をとらえきれていないのが気になるところ。
また、どれくらい涼しくなるか効果のテストや試験などのデータが一切無いので、クールパックに比べて信頼性がどうしても低くなってしまいます。
中国を絡めると安く仕上がるというメリットはありますが、企画した日本側が厳しく管理、フィードバックしないと中途半端な性能のものが出来上がってしまいますので、中華製はそういう意味で注意が必要です。
ファンがの風量が少なすぎる
こちら製品のHPがなく、販売店が出している仕様を信じるしかないのですが、それによると風量はクールパックの10分の1程度(ファンが一つの計算だった場合は×2なので5分の1程度)しかありません。
風量が少ない上に、風が抜ける開口が多いので、多くのレビューで書かれているように相当弱いのだと思います。
ファンが背中面にあることで背負い心地に影響あり
どんな薄型でファンを作ろうが、リュックと背中に挟まっていたらばゴツゴツとした違和感を覚えるはず。と思って評価を見ていたら、同様の悪評がいくつか見られたのでやはり間違いではなかったようです。特に前傾姿勢でリュックの荷重をまともに受ける自転車乗りにとっては気になるところ。
また、この設計だと、空気の取り込み口が背中にあるので、暑くて湿度の高い空気を循環させていることになるので、単純に汗の気化効率が悪そうです。
商品ページのレビュー評価が悪すぎる
電池の持ちや風量など不満な声が多く、Amazon、楽天で星が3に満たないのはちょっと問題。ここにすべてが表れている気がします。
類似商品まとめ
価格をみるとクールパックの方が2千円ほど高いので、性能上同じ土俵で比べるのは分が悪いとはいえ、リュックールのマイナス面が目立ちますよね。
USBに対応していたりなど機能面ではいいところもあるのですが、風の力が弱いというのはそもそも致命的。唯一の類似商品だったので、逆に考えれば消去法であっさり消すことができ実質一択にすることができます。
ただ、希望としてはまだあって、改良がくわえられたRuCool2というバージョンアップモデルが今年になって登場しています。しかし、これもまた不評なのですが、フィードバックを受けて改善する姿勢があるということなので、将来、RuCoolが選択肢に戻る未来も全然あるとは思います。
空調リュックの購入場所と価格
この手の商品は、コスパを見ればこの空調リュック COOL PACK 1択になるわけですが、大手ショッピングサイトにはいずれも取り扱いがありました。
※2022年8月時点の価格
金額(税込) | 送料 | |
楽天 | ¥8,250 | 無料 |
Amazon | ¥7,425 | 無料 |
Yahoo | ¥8,250 | 無料 |
通常期間ではアマゾンが頭一つ抜けて安いですが、セール期間やポイント倍増期間を狙えば、楽天やYahooが最安値になることも十分あります。
ちなみに、私はマラソン期間に楽天で購入しました。
まとめ
真夏のリュックはマジで辛くて出かけたくなくなりますよね。
通勤・通学や、仕事でやむを得ず背負っているという状況の方、本当に危険な状況に陥る前に、今回レビューした商品でなくてもいいのですが、とにかく体温を下げる対策をして身を守ってください。
また、家族や大切な人の中にリュックで暑がっているという方がいらっしゃれば、プレゼントなんかも絶対に喜ばれると思います。
とにかく、私の場合では、真夏にリュックを背負う憂鬱さが本当に無くなったので、背中の暑さを解消したいと思っている方に少しでも広がればと思い、長めのレビューをしてみました。
今回レビューした商品はこちら
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