究極の寒さ対策!?部屋の中に小さな部屋を作ってみました
部屋の中にもう一つ小さな部屋のように仕切った空間をDIYで作りました。
この小さな空間は容積が小さく、ごくわずかな熱源でも空間全体を暖めることが可能になったため、一年で最も寒いと言われる今の時期でも最低限の熱源で快適に過ごすことが出来ています。
暖房を使わない寒さ対策シリーズも今回で6回目を数えましたが、初期投資も少なく、ランニングコストも安く、環境にやさしく、それでいて暖かい。そんな究極の寒さ対策に仕上がったと思いますので、その一部始終を紹介します。
目次
部屋を作ろうと思い立った経緯
今までにもいくつか寒さ対策をしてきたのですが、手足など局所的な暖かさを得るための補助的な対策が多く、身の回りを包み込む冷気に対してはただただ無防備だったので、体の芯まで暖まることはありませんでした。
冷え込む日には、鼻だけ氷みたいに冷たくなるのでマスクで対策してみたり、ダウンジャケットのフードをかぶって頭の保温をしてみたりなど、涙ぐましい努力をしてきましたがそれももう限界。
「やっぱり部分的な暖かさでは満足感は得られない。身の回りの空気全体が暖かくならないとダメなんだ」と気付き、そこでふと布団の暖かさを思い出しました。
身にまとう布団
暖房など付けていなくても布団に入れば数分で暖かくなりますよね。
それは、人の体温を外に逃がすことなく布団の中に閉じ込めるているから。
人が発する小さな熱源だけでも、体に密着するほどの小さな空間であれば十分な暖かさが得られるのです。
そんな理由から、暖かさの理想は身にまとう布団ということなのですが、実際に作業しながら布団に包まると、動きにくい上に手足の先までカバーできず熱が逃げてしまい効率よく暖められません。
部屋の中に小さな部屋
では布団のような空間を、人一人パソコン作業が出来るギリギリの大きさまで広げてみてはどうか。つまり、部屋の中に小さな部屋を作るイメージ。
空間を広げてしまうと人の体温だけでは十分な暖かさにはなりませんが、そこは机の周りにあるパソコンやモニター、照明や電気毛布などの熱源がたくさんあるので、布団が暖まるのと同じ原理でその空間全体が暖かくなるのではないか。
ということで、どのような仕様にするかはさておき、立方体を部屋の中に作るということで寒さ対策の方向性は決まりました。
あとは最小のコストで最大のパフォーマンスを得られるのはどんな素材と形か、また小さな空間を作り出すことで何か問題が起きないかを検証していきます。
現状
現状の書斎スペースです。
正面に引き違い窓が付いているので、そこからとてつもなく冷たい冷気が下りてくるのですが、窓の断熱DIYでそこは対策済み。
そして今回の寒さ対策をするにあたって、かなり大型の書斎デスク(幅1.8×奥行0.7×高さ1.8m)もDIYで作り直しました。その時の記事はこちら。
小さな部屋の作り方
DIYのポリシーとしては、部屋を傷つけないこと。
なので今回も部屋の壁にビスを打ち込んだりせず、冬場だけの特別仕様として後で簡単にバラせるようにしています。
サイズを決める
立方体のサイズは出来る限り小さくしたかったのですが、スタンディング作業をするので身長(170cm)の高さは必要ですし、デュアルディスプレイも結構幅を取るということで、導き出した私にとってのベストサイズがこちら。
幅120cm×奥行き150cm×高さ175cm
小部屋の体積を計算すると、3.15㎥ となります。部屋は六畳一間、実測すると 22㎥ ありました。ということで、体積はおよそ1/7のサイズにすることができます。
これで部屋を暖めるエネルギーも1/7で済むはずですし、電気代としても 10,000円かかっていたものが1,400円になるということ。ロマンですね~。
材料を揃える
フレームは木材で、壁や天井はエアマット(プチプチ)を使うことにしました。
選定理由としては次の通りです。
フレームは木材か水道管か
木材は安くて加工と固定がしやすいと三拍子揃った優良建材ですが、今回の部屋を作る上ではもう一つ悩んだ材料がありました。
プラスチック製の水道管(通称:VP管)
今回ぐらいのサイズ&用途なら強度に問題ありませんし、加工もしやすく何より安い。それでいて、ジョイント部分は継手を差し込むだけで繋がってくれるので、工具無しでとても簡単に組上げることが出来ます。
意外に木材を組み上げるが手間で、水平や直角を出すのは慣れていないと時間がかかりますし、ビスを打ち込むための下穴をあけるのも地味に面倒。でも水道管だったらそんな難しいこと考えなくても継手に突き刺すだけで形になってくれるのですから魅力的ですよね。
デザインも武骨で色を塗れば鉄のようにも見えるため、インテリア好きのオシャレさんたちからも近年注目されている材料でもあります。
きっと机をDIYで作っていなければこの水道管にしたと思いますが、今回は天井付きの大掛かりな机がある前提なので、木材とすることにしました。
木材は細くて安いもの
ホームセンターで適当なものを物色したところ
40×15×1,800mm・・・必要数2本 150円/本
というのが杉材で売られていましたので、細くて安いという理由だけでこちらに決定。
ただ安いだけあってささくれが目立ったので、帰ってから軽く#120 の紙やすりでこすっておきました。
面材はエアマット(プチプチ)
これは最初から頭にあった材料であったものの、ホームセンターへ行けば他に良いのが見つかるかもと淡い期待を寄せていましたが、結局、エアマットのコスパを上回るものがありませんでした。
面材の条件
- 中が透けて見えること
- 空気を通さないこと
- 軽いこと
- 安いこと
- 柔軟性があること(ボード系は×)
なお、今回は窓のDIYと違い、外部~室内ほどの温度差がないため断熱性についてはそれほど重要視していません。プチプチも梱包用で十分かと思います。
想定ではブルーシート系もいい勝負するかとも考えていたのですが、意外にも面積当たりの価格は高かくエアマットには遠く及びませんでした。
ということで今回選んだエアーマット(プチプチ)はこちら。
1,200mm×10m・・・1巻 860円
幅が1,200mmのワイドタイプというのがポイント。この幅が小さいとテープで貼り継ぐ範囲が増えるため、見た目はテープの継ぎはぎだらけで悪くなるし、何よりも作業がかなり面倒です。
このプチプチのサイズで壁面全てを覆うのにギリギリの計算でしたが、一片の余りもなくちょうど使い切ることが出来ました。こういう無駄が出ないのって地味に嬉しいですよね。
フレームを組む
フレームを組むと言っても、すでに机を改造して天井棚まで作っているのでやることは少ない。
先ほど買ってきた木材を1.5mの長さに切り揃えて、下から計4カ所ビスで固定するだけ。
15mmの幅にビスを打ち込むことになるので、面倒がらずに割れ防止の下穴をあけることに。このとき、2本の木材の平行間隔だけ気を付けて取付けます。
あとは次の工程で天幕を張って終了です。
プチプチを張る
まずは机の奥からぐるっとコの字型に切れ目なく貼り付けます。
それからサイド部分を張れば完了。
机の裏がパソコン配線用の切り込みを入れないとならないので思いの外手こずりました。
密閉しすぎても良くないので、入り口部分はテープでとめずに解放状態にしておきます。
床面はプチプチが触れているだけで、テープなどで固定はしていません。
完成
奥行きが1.5mあるので、椅子をリクライニングしてもギリギリ当たりません。
換気のため入口はのれんのように垂れ下がっているだけにしています。
窓側もサイドも4面全てプチプチで覆いました。
仕切り内を暖める熱源
- パソコン本体と周辺機器
- 照明(スタンドライト)
- 人
- 電気毛布
1.パソコン本体と周辺機器
パソコン本体は、CPUやGPU、メモリや電源など、熱くなる部分がたくさんあるので必ず入れておきたい熱源です。
私の環境ではあまり高負荷な作業はしないのでそれほど熱くなりませんが、パソコンが爆熱の方は冷却機能が落ちる可能性もあるので、内部がきちんと冷えているか確認する方がいいかもしれません。
周辺機器では、モニターやルーター、6個挿し口があるテーブルタップも少し熱を持っていたので小部屋内に入れてみました。
2.照明(スタンドライト)
私が使っているのが蛍光灯タイプの古いスタンドライト。
発光部は50℃くらいまで上がるのでなかなか良い熱源になってくれます。さらに、手が冷たくなる時は首をグッとまげて手元に近づけるとヒーター代わりにもなります。
恐らく、LEDタイプのスタンドライトでは発生する熱が低いため、手を暖める程の熱源にはならないでしょう。
3.人
これは中に入る私のことですが、これも重要な熱源の一つです。
人の体温は36℃前後あるので、これだけでも室温を上げるのに十分な熱源ですが、それともう一つ、人が吐く息には水分を含んでいますので、空気の乾燥も軽減してくれるでしょう。
4.電気毛布
去年の年末に寒くて我慢できず、この小部屋を作る前にAmazonでポチってました。
電気毛布の使い方としては、188cm×130cmの大判タイプなので、机に掛けるようにして手元から足先までを暖めちゃおうという作戦。
電気代も出力マックスで使っても 1.4円/1時間 程度と経済的。
詳しくはこちらに書きました。
小部屋の効果
全ての熱源を導入して効果を検証しました。
小部屋内の空気の流れ
ほぼ密室なので空気の流れは無いかと思いきや、熱の対流が小さな空間の中で激しく起こっており、出入り口部のすき間からは風すら感じるほどです。
小部屋内の空気の流れ
- 暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する
- 出入り口の低い部分から冷気が取り入れられる
- 出入り口の高い部分から暖かい空気が排出される
まるで換気扇を付けているかのように、ぐるぐると小部屋内と外を絶えず空気が循環しています。
本当は出入り口のすき間を無くして熱を出来るだけ小部屋内閉じ込めておきたいのですが、あまり密閉してしまうと色々問題も出てくるため、空気の入れ替えのために必要な自然現象だととらえ、今はこのままにしています。
小部屋内の温度分布
温度計を複数置いて検証したところ、大体4℃くらい室温に比べて高い数値が出ましたが、小部屋外から空気が流入してくる付近についてはほぼ室温と変わらないくらいでした。
この4℃という数字だけを見るとそこまで暖かくなったような気がしないと思いますが、実際使ってみると、暖房の効いている部屋のドアを開けた時に感じるモワっとした熱気を、この小部屋にも感じることが出来るような温度差です。
暖かくなったと言ってもボーっとしてしまうようなものではなく、だらけない程度の冷えは残したような作業するにはちょうど良い温度になっているのがポイント。
もし普通に部屋全体を4℃上げようとすれば、エアコンやガスストーブなどの高出力な暖房器具を使ってもかなりのエネルギーが必要なはずですが、この小部屋には普段使っている電化製品と低出力の電気毛布だけ。エネルギー効率の高さがうかがい知れます。
小部屋を作るのにかかったコスト
フレーム木材の300円とプチプチの860円の 1,160円 だけ! と言いたいところですが、今回はその前に書斎デスクをこの寒さ対策のために思いっきり改造しているので、そんなに単純な話ではありません。
とは言え、机を改造していなくても四本支柱を立てて、その支柱同士をロの字でつなぎ合わせるだけで簡単に小部屋の再現はできます。樹脂製の水道管(VP管)でやると安くて簡単なのでおすすめです。
それだとトータルで3~4,000円程度で済むのではないでしょうか。
気を付けたいこと
見た目がダサい
写真でもお分かりの通り、お世辞にもカッコいいものではありません。子供が作った秘密基地みたいで、控えめに言ってもダサい。これは紛れもない事実ですので、お客さんから見えるような場所には不向きでしょう。
ただ私は、見た目のダサさと暖かさどちらを選ぶかと問われるなら、1mmも迷うことなく暖かさを選びますね。寒さはやる気をも奪っていきますから!
湿度が下がる
湿度は温度と反比例しますので、温度が上がれば湿度は下がる性質があります。
小部屋の中も例外ではなく、人が発する水分などお構いなしに小部屋外よりも湿度は下がりますので、飲み物や加湿器などで人が渇きすぎないよう注意する必要があります。
換気について
密閉のし過ぎは大変危険です。
酸素や二酸化炭素濃度には十分気を付ける必要がありますし、燃焼系の暖房器具の使用なども絶対厳禁です。
くれぐれも今回の寒さ対策と同様のことをされる際は、換気に十分注意して安全を確認されてから自己責任の下で行うようにしてください。
なお、私の環境では熱の対流が常に発生しており、小部屋と外を常に空気が循環している状態ですので、特に問題は無いと判断して使っています。
寒さ対策まとめ
部屋の中に小部屋を作るという大胆な寒さ対策でしたが、今のところ今シーズン最強の寒波も寄せ付けず、非常に快適にパソコン作業ライフが送れています。
これまでは手足などを部分的に暖かくすることで寒さを凌ごうとしていましたが、それだけでは満足できないことに気付きました。体全体を取り巻く空気を暖かくすることで、こんなにも過ごしやすさが変わるものかとビックリしています。
今回の寒さ対策をまとめるなら
まとめ
- 室内温度よりも+4℃で過ごせる
- 電気毛布を使えばさらにポカポカ
- コスパ最強
- DIYが面倒
- 換気は重要!
という5点はお伝えしておきます。
今回で非常に満足できる暖かさの作業環境に仕上がりました。
寒さ対策としてはこれが最後になりますが、また何か良いアイデアがあれば紹介していきたいと思います。
もう少し簡単で部分的な寒さ対策はこちら。
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