アコンカグア登山にかかる費用と必要な道具【2017-2018年度】

2017/11/07

アコンカグア登山にかかる費用と必要な道具【2017-2018年度】

この記事では、アコンカグア登山、トレッキングに必要な費用や道具について紹介しています。可能な限りの最新情報を、登頂した私の経験も踏まえてお伝えします。

 

目次

アコンカグア情報

アコンカグア登山は、雪が積もる時期を除くと登山技術がほとんど不要で、歩いて登れる世界最高峰と言われています。

かく言う私も、登山素人にしてこの山を登ろうと思えたのは『技術うんぬんよりも時間と気合があればなんとかなる』という理由が大きかったです。

アコンカグアとは

アコンカグアは、アルゼンチンとチリの国境にある南アメリカ大陸最高峰(6,962m)の山で、七大陸最高峰(Seven Summits)の中にあってはエベレストに次ぐ2番目の高山。山名は「岩の衛兵」という現地語からきており、登山者の挑戦を跳ね返すがごとくそびえ立つ岩塊の姿は、まさに岩の衛兵そのもの。

高い標高にしては比較的登りやすい山としても人気が高く、年間6,000を超える訪問者がアコンカグアに訪れてます。

日本では2012年の年末に”世界の果てまでイッテQ”の番組でイモトさんが挑戦した山でしたが、この時は積雪が多く登頂はできませんでした。

プロのガイドを6人も雇い、その他様々な手厚いサポートを受けながらの失敗だったので、難しい技術が不要とはいえ、簡単な山ではないということが分かります。

ルート

アコンカグアノーマルルート

山頂に至るルートはいくつかありますが、この記事では入山する人の80%の人が登るとされる【ノーマルルート】を前提としています。

出発地点のオルコーネスからの往復距離を計算したのですが、90km以上(高度順応のためのトレッキングを除く)、歩数にして14万歩以上をたった2週間で歩くことになります。

これを20kg程度の荷を背負いながら、6,000m前後の高度で行わなければならないのですから、登山技術は必要ないとはいえ、生半可な体力では登頂できる山ではないということが分かると思います。

登山日数

メンドーサを出発し、登頂してメンドーサに帰ってくるまでのおおよその日数は、10~16日間程度必要です。

極端な例ですが、かの有名な冒険家、植村直己さんはたった15時間で登頂したといいますし、逆に20日間以上の時間をかけてゆっくりと登るツアーもありますので、一般的な目安とお考え下さい。

何としても登頂したい場合は、もし天候や体調が崩れたとしても、キャンプ地で待てるようゆとりをもった工程にすることです。

そうすることで、天候が悪く他の隊が諦めて続々と下山する中でも、私は日数を設け無かったおかげでいくらでも待つことができたので、結果登頂まで果すことができました。

シーズン 2018年度より変更あり

アコンカグア登山のシーズンは、一般向けが11月20日から3月15日までの約4ヵ月間となります。

今年度(2018年)からシーズンの考え方に少し変更がありました。詳しくは表をご覧ください。

↓ 【旧】2016年~2017年  ↓アコンカグアシーズン2017

↓ 【新】2017年~2018年  ↓アコンカグアシーズン2018

去年(2017年)からの変更点ですが、ミドルシーズンが無くなってその分ローシーズンが延長されました。ウィンターシーズンについては、積雪や気温などの気象条件が悪くなるうえに、ベースキャンプでのサポートも受けられないため、一般のクライマーにとっては現実的ではありません。

ロー、ハイシーズンというクラス分けですが、簡単に言えば、”ハイシーズン”は一番気象条件が安定していて暖かく、一年の内で最も登りやすい時期ということです。

ただし、ハイシーズンに山に入るのはいいことばかりではありません。入山料はランクに比例して高くなりますし、人気のハイシーズンでは人が多すぎてキャンプ地や登山道が渋滞する場合もあります。

アコンカグアの登頂成功率

アコンカグア登頂成功率

以前”世界の果てまでイッテQ”の番組での説明では、20%という数字が出ていました。

これは登るシーズンによっても大きく変わるので一概には言えません。私が挑戦した時期はローシーズンで連日雪という悪条件でしたので、登頂を報告するレンジャーに聞くと20%は切っていた印象ですが、ハイシーズンだと30%以上はあるという報告もあります。

平均すると、大体20~30%で落ち着くのではないでしょうか。技術的には難しくない山なので、高山病をいかに克服するかということと、天候(運)に恵まれるかどうかが、登頂の成否を握る大きなカギとなります。

入山料【2017-2018年度版】

入山料については毎年のように改定があります。というのも、アルゼンチンは近年インフレが進行しており、通貨の『ペソ』の価値がかなり変動してしまうためです。このためか、以前は全てペソで表記されていた料金表ですが、外国人が登頂までのパーミットを取得する際は、米国ドルのみでの表記となりました。

下記表は2017/2018年度の料金表です。

アコンカグア入山料2018
※【ARS】はアルゼンチンペソ
※【Ascent】は”登山”
※【No Services Hired】は”個人手配”
※【Services Hired】は”公認ツアー会社”

 

英語表記で分かりにくいので、見るべきところだけにフォーカスします。

アコンカグア入山料日本語版

個人で登頂を目指す場合は、『Other countries(南米以外の国籍)』の『No Services Hired(個人手配)』と『Ascent(登山)』の交わる部分の金額を見ます。ハイシーズンなら【US$950】、ローシーズンなら【US$730】です。

個人でもムーラを利用する場合は『Services Hired(公認ツアー会社)』の価格となりますので、使わない手はありません。先にムーラの手配を済ませてから、その証明書を持ってパーミット申請しましょう。

おすすめはローシーズン。特にハイシーズンに近い時期は狙い目。人もそこまで多くなく天候も安定して良くて、ハイシーズンよりも入山料が2万円ほど安いからです。普通のサラリーマンであれば、年明け早々でさらに登山のために超大型連休を取るのは、かなり気が引けることではありますが。

また、公式サイトによると、未成年者が登山するには特別な許可がいるようです。詳しくはアコンカグア州立公園サイトまでご確認ください。

道具は購入かレンタル、どちらがお得?

私の場合は、世界一周旅行中に登ることになりましたので、普段使わないような道具はすべてメンドーサの町でレンタルしました。町のいたるところに登山ショップがあり、レンタルのサービスが非常に充実しているので、極端な話、手ぶらで行っても全てレンタルでまかなえるほどです。

しかし、2017年の価格を調べてみると、レンタルコストが恐ろしく値上がりしているため買うのと値段がそれほど変わらなかったりするものもありました。

まずは、それぞれの特徴を挙げてみます。

購入とレンタルの比較

 

GOOD

  • 購入の特徴所有する喜び
  • 自分の趣味・趣向・体に合ったものを選べる
  • 高性能な最新の道具が使える
  • 日本で高く売れる

BAD

  • 調べたり選ぶのが面倒
  • 日本からの持って行く荷物が増える
  • 価格が高い

 

レンタルの特徴

GOOD

  • 店員から色々アドバイスをもらえる
  • 日本から重い荷物を運ばなくても良い

BAD

  • 物が古かったり傷んでいたりする
  • 近年かなり値上がりしており気軽に使いにくくなった
  • 壊すとペナルティ料金を別途支払わなければならない
  • 軽量化よりも、丈夫さやコスパの良さが優先されたラインナップ

以前はレンタルのコストも安く気軽に使えていたのですが、今ではもう少し出せば新品を買えるレベルまで上がってきてお得感が無くなってきました。

しかも、日本ではメルカリなどで個人間の売買が盛んなおかげで、アウトドア用品もかなり高く売れるようになってきましたので、なおさらレンタルの旨味が無くなってきてる感があります。

特に、バックパックや登山靴など特に自分の体にフィットしなくてはいけない物や、日本でも使えそうな汎用性の高いものは、このタイミングで購入しておくのが長い目で見ればお得です。

アウトドア用品は高く売れる

購入した道具を使わないようになっても、フリマアプリやヤフオクでアウトドア用品は高く売ることができます。

売ることを想定する場合は、高く売れそうな色や人気があるサイズなどを考慮して選び、その他付属品や説明書、箱などもキレイに残しておくと高く売りやすくなります。

冬物なら晩秋、その他アウトドア用品なら春先など、売れる時期などを見計らないながら上手く使っていきましょう。

日本から持って行く方がお得

主要な道具をレンタルで揃えようとすると、その費用は10万円は下らないでしょう。それだけコストをかけても、手元には何も残りません。

しかし、道具の購入は初期コストはかなりかかってしまうものの、最先端の性能を享受でき、かつ、後に使い続けられたり、売りさばいて初期コストを回収することも可能です。

手間さえ惜しまなければ購入の方がメリットは大きいので、レンタルする物と上手くバランスを取りながら、可能な限り日本から持って行くようにしたいところです。

 

おすすめ装備品【レイヤリング編】

アコンカグア登山では、ベースキャンプのプラサデムーラを境に下の方では10~15℃で長袖一枚でも歩いていると汗ばむほどですが、ベースキャンプから上は日中でも-5℃以下。夜中には-20~-30℃になることも。さらに雨が降ったり雪が降ったりもしますので、どんな気象条件になっても対応できる幅広い防寒対策が必要です。

寒くなるからと言ってあまり分厚いものを持って行っても、中途半端な気温では暑くて着れず、脱いでも寒いというどっちつかずの状況になるので、レイヤリング(重ね着)というテクニックが大切になってきます。

道具を選ぶ基準は『機動、機能、性能、価格、デザイン』から複合的に判断して選定していますので、必然的にグレード・価格が高いものになってきます。現時点(2018年2月)の最新情報で検討したので、参考にしていただければと思います。

下半身

重ねる枚数が多いほど動きにくくなるので3レイヤーまでとし、足の負担にならないようストレッチなどの質の良いものを選びましょう。

下半身のレイヤリング

  1. ソックス
  2. アンダーレイヤー(ウール)
  3. ミドルレイヤー(ストレッチ)
  4. アウターレイヤー(ゴアテックス)
  5. ゲイター・スパッツ(積雪時用)

① ソックス

靴下は軽視されがちですが、靴と足のすき間を埋めてくれるクッションの役割と、足を保温したり汗を吸収してくれたりする大切な役割があります。

足の感覚が無くなるほど冷え込むこともあるので、この生地が分厚く保温性能が抜群のアルパインソックスできっちり対策したいところです。

靴下選びの際、綿素材は汗が凍って凍傷になることもあるので絶対に避けましょう!

② アンダーレイヤー(ウール)

モンベルが開発した、卓越した発熱量を誇るスーパーメリノウールに速乾性をプラスしたアンダーウエアです。

速乾で厚手のタイプなので、汗をかいても汗冷えすることなく身体を包み込むような暖かさが期待できます。 

なお、賛否両論あるヒートテックですが、個人的にはアコンカグア程度だったら全然使っても問題ないと考えています。より良いものを選ぶかどうかの違いだけですね。

③ ミドルレイヤー(ストレッチ)

伸縮性と耐久性を備え悪天候に対応するソフトシェル素材を使用し、岩や雪の上をすばやく自信を持って動けるテクニカル・パンツ。

冬用の少し厚手のストレッチタイプで、その性能もさることながらパタゴニアのデザインの良さが光ります。

④ アウターレイヤー(ゴアテックス)

アウターとして一番外側に使用するパンツには、ゴアテックスという高性能な防水防風機能を搭載。さらにストレッチするため動きやすさが損なわれることはありません。

裾からジップアップが付いていますので、大きいブーツを履いたままでも脱ぎ着ができるため非常に便利です。

⑤ ゲイター・スパッツ(積雪時用)

シューズとズボンの間から雪や小石が入るのを防ぎ、保温性を高める装備です。

雪が深く積もっていると、そこを歩くだけでスネやふくらはぎの隙間から雪が侵入してきます。中から濡れては完全防水のシューズでもひとたまりもありません。

一旦濡れてしまえばキャンプ地に戻るまで乾くことは無く、凍傷になる危険がぐっと高まりますので、雪が少ないシーズンでももしものために持って行くべきでしょう。

幸い、このイスカのモデルは非常にコンパクトに持ち運びできるので、持ち運びで負担になることは少ないです。

上半身

上半身の基本は4レイヤー。フリースとダウン熱を閉じ込め、アウターのゴアテックスで雨風を防ぎます。体温調整がしやすく、荷物も軽くて少なくなるようなレイヤリングです。

上半身のレイヤリング

  1. ニット帽
  2. インナーグローブ
  3. アウターグローブ
  4. アンダーレイヤー(ウール)
  5. ミドルレイヤー1(フリース)
  6. ミドルレイヤー2(ダウン)
  7. アウター(ゴアテックス)

① ニット帽

熱烈な山愛好家のための帽子。速乾性と吸湿発散性を備えた温かいシンチラ・ポリエステル・フリース(リサイクル・ポリエステル80〜85%)素材を使用し、使わないときはジャケットのポケットに収納可能。

② インナーグローブ

手袋もインナーとミトンの2重着が必須。薄い生地のインナーグローブが1枚あると、本を読むのにページをめくったり、スマホの操作をしたりなど、細かな作業が手袋をしたままできるのでおすすめです。

このモンベルのインナーグローブは、その保温性もさることながら、手袋をしたままタッチパネルの操作が出来るというところがポイント。デジカメやスマホ操作もいちいち素手になる必要はありません。

③ アウターグローブ

ブラックダイヤモンドの使用温度域 -29℃ という極地仕様のミトングローブ。指をまとめることで保温性能を高めています。

④ アンダーレイヤー(ウール)

ブレスサーモというミズノ独自の発熱機構にプラスしてウールを合わせることで、さらに温かくてドライな気心地を実現。ウール本来の撥水性と吸湿性を発揮する防縮メリノウール採用した、アルパイン仕様のアンダーシャツです。

シャツでも賛否両論あるヒートテックですが、個人的にはアコンカグア程度だったら全然使っても問題ないと考えています。より良いものを選ぶかどうかの違いだけですね。

⑤ ミドルレイヤー1(フリース)

登山家やスキーヤーに人気のパタゴニアのRシリーズ。なかでもR2は、厳冬期の冬山のミドルレイヤーとして十二分に役立つ一品となるでしょう。

軽くて保温力の高い優れたフリースですが、防風性能はないのでアウターと組み合わせて使用します。

⑥ ミドルレイヤー2(ダウン)

ダウンジャケットはミドルでもアウターとしても使える、超高品質の800フィルパワー・EXダウンのアルパインダウンパーカで決まりでしょう。

登山道具を選んでいると、モンベルは品質と価格のバランス、コストパフォーマンスが海外メーカーに比べて抜群にいいので、モンベル製品ばかりになってしまうのがたまにきず。

⑦ アウターレイヤー(ゴアテックス)

こちらは一番外側に着るアウターで、防水と防風の機能があります。

ベースキャンプまでは日中雨に降られることもありますので防水ジャケットは必須。しかも、重ね着の一つとしても重宝しますので、晴れが続いてもザックの肥やしになるということもありません。

モンベルのアルパインサーマシェルパーカは、汗の蒸気を通しながらも雨風を防ぐという相反する性能を持ち合わせる究極の生地、ゴアテックスを使っています。

簡単に言えば超性能のいいカッパで、ストレッチ機能もあるため日本でも雨の日の犬の散歩や運動会、自転車やバイク、買い物などあったら非常に便利。レンタルではUS$70以上するので、購入して使い倒すというのがお得です。

 

おすすめ装備品【自前編】

どの道具をレンタルして、どの道具を持参したらよいのか、アコンカグアに登った私の経験を踏まえて厳選しました。

道具を選ぶ基準は『機動、機能、性能、価格、デザイン』から複合的に判断して選定していますので、必然的にグレード・価格が高いものになってきます。現時点(2018年2月)の最新情報で検討したので、参考にしていただければと思います。

トレッキングシューズ

靴については2万円までぐらいで、足首の保護のためにもミドルorハイカットタイプ、あとは自分の足にフィットしたものを選べば問題ありません。

モンベルは日本のアウトドアメーカーのリーディングカンパニー。足幅の広い日本人の特徴をよく理解して設計されていますので、フィットもよく履きやすくておすすめです。

往復で90km以上は歩くことになるので、新品状態だと靴が馴染まなくて靴擦れを起こすリスクが高まります。十分履き慣らしてから本番に挑みましょう。

バックパック

アコンカグア登山では、ダウンジャケットや寝袋、テント、ストーブ等など荷物が非常に多くなりますので、大容量のバックパックを選ぶ必要があります。

こちらは「エアコンタクトプロ」の2017年モデルで、プロという名を冠するように、長期遠征登山の重装備に対応したドイターのフラグシップモデルです。バックパックの一部を切り離してアタック用ザックとしても使用できるスグレモノ。

決して軽いザックではありませんが、20㎏以上の荷物を背負うことになるアコンカグア登山では、バッグの機能性や剛性、フィット性能も非常に重要です。

ザックの中でも大容量タイプですが、恐らくこれでも全ての荷物は収まり切りませんので、あまり小さなタイプを選ばないようにしましょう。

私もドイターの『パラゴン75+15(廃版品)』という3.9㎏もある当時最上級モデルをこの登山で使用しましたが、デイバックを本体から切り離して使えるというところは今のモデルとも共通しており、たとえ1グラムでも身軽にしたいアタックの日などに非常に便利な機能でした。

テント

モンベルのステラリッジテント1型とよく比較されますが、アライテントのエアライズ1の方が110g軽いという理由から、私はこのテントを選んで15年くらいずっと愛用しています。

雪山用のテントではありませんが、防水のフライシートとセットになっていて、非常にコンパクトに収納もでき、フレームの剛性も高く吹雪のアコンカグア登山でも全く問題なく使用できました。

テントについては、レンタル品はしっかりしているかもしれませんが、日本で買える高品質なものと比べると、とにかく重いです。全ての荷物を背負っていく個人登山では、重量管理はとても大切。テントは日本で用意していくことをおすすめします。

トレッキングポール

トレッキングポールは予算が無ければレンタルでもいいのですが、必ず2本用意するようにしましょう。登りの補助になるだけでなく、下りの際の膝の負荷軽減と転倒予防に非常に効果的です。

アコンカグアでは2週間という長期の山行になります。歩く際に受ける小さな衝撃でも、繰り返し受け続けると回復が追い付かずダメージが蓄積していくため、次第に足や腰、腕になんらかの不調が現れることになります。

そんな負担を少しでも軽減するため、高強度で軽量なカーボン製やアンチショックの機能も欲しいところ。

カーボン製は丈夫な上に非常に軽く腕の疲れ方が全く違いますし、アンチショック機能は硬い岩からの衝撃を吸収してくれるので、使い慣れていない人には特におすすめ。

モンベルでは、カーボン製のアンチショックタイプの品質の高いポールの評価が高く、価格のバランスもいいのでこれを選んでおけば間違いないでしょう。

ガスストーブ

高所登山に持って行くなら、ガソリンタイプではなくガスタイプがいいです。

私はホワイトガソリンを使用するモデルを持って行ったのですが、空気が薄く不完全燃焼を起こしてしまい使えなかったという失敗があります。

ジェットボイルのZIPは、コッヘルも付いたセットで、収納もコンパクトになるように設計されておりアコンカグア登山にはもってこいの商品です。レンタルではこのような質の良いセットはなかなか見かけません。

価格もそれほど高くないので、レンタル費用と見比べても買った方がいいです。ただし、燃料のガスだけは飛行機に預けられないので、現地で用意しましょう。規格は世界共通なので簡単に手に入ります。

デジタルカメラ

デジカメはかれこれ12台買い換えてきているデジカメマニアなので、個人的にここは外せません。

価格は張りますが、それに見合う旅カメラとして動画・HDR・手振れ補正・自撮り・画角・画質といった機能性は、今のところ非の打ち所がないパーフェクトな性能です。

少し高いですが、今行くとすれば間違いなくこれを持って行きます。

ヘッドライト

夜テントで本を読んだり、トイレ行ったり、工程によっては夜が明ける前に出発することもあるのでヘッドライトは必需品です。

レンタルも可能ですが、やはり軽くて調光可能な高性能なものが欲しいところです。アウトドアや災害時などにも活躍するので、一つ持っておいても損はありません。

ペツルはフランスのヘッドライトメーカーの老舗。アクティックは、2017年に発売された最新モデルで、スペックと価格のバランスが非常に良いモデルとなっています。

寝袋(シュラフ)

レンタルで-30℃まで大丈夫というものを借りて持って行きましたが、実際C2キャンプ以降ではかなり冷えました。この何℃まで大丈夫、という基準が各メーカーバラバラなので、参考程度にする方がいいと思います。

レンタルだと、どこの誰が使ったか分からないようなものに包まれるという抵抗感と、US$200弱もかかってくるコストが大きなネックです。

日本の寝袋専門メーカーのイスカ「エア 1000EX 」は、その保温性能と圧倒的軽さが特徴です。長期間に及ぶ山行では、この数百グラムの軽量化がいかに体の負担を軽減してくれるか、その恩恵は計り知れません。

気温の低下が著しいC2以降のキャンプでは、いかに分厚い寝袋をもってしても寒くて寝られないということもあります。そんな夜の冷え込みに不安がある場合は、お湯を作ってペットボトル入れて寝袋に放り込めば、少々薄い寝袋でも1日中暖かく眠れます。

紹介品のイスカは極寒仕様なので日本では使えないかというとそうでもなくて、冬の車中泊や、友達が泊まりに来た時の緊急時の布団としても活躍します。寒くないところでは、ジップを全開にしたり、掛け布団のように使うといいでしょう。

寝袋カバー

寝袋の防水カバーです。寝袋をテントで使用する際は、この防水カバーは必須と言っても過言ではありません。

寝袋に使用されているダウンは、水に濡れると極端にその保温性能が低下します。アコンカグアのような極地では、保温力低下は死活問題です。

寝袋自体にも撥水加工はされていますが、テント内の結露や雨で常時濡れてしまうといったような状況では、水の侵入を防げません。

イスカ純正のカバーは、寝袋にフィットしたサイズと、高い透湿と防水性能を兼ね備えたゴアテックス素材を使用しており、保温性能の向上も見込めるので、寝袋と合わせて持って行くことをおすすめします。

マットレス

テント泊ではクッション兼断熱材として必需品です。

空気を入れるタイプのマットレスもありますが、破れて使い物にならなくなった人の話をよく聞くので、少々乱暴に扱っても大丈夫なスポンジ系の物をおすすめします。

折り畳むとコンパクトにはなるのですが、ザックの中にスペースがない場合がほとんどなので、外に括り付けて持ち運びしていました。

レンタルもできますがUS$30前後と高くつくので、購入した方が、普段でもヨガをしたり花見やバーベキューなど意外と重宝します。

アーミーナイフ

ナイフやミニハサミは袋を開封したりするのに結構使います。あまりたくさんの機能があっても重くなるだけなので、最低限の機能として、ナイフ、ハサミ、缶切りくらいあれば十分です。

家にあればわざわざ買う必要もないですが、もし家に無ければビクトリノックスの「クラシックSD」ぐらいのもので十分です。

魔法瓶(サーモス)

ベースキャンプより上は日中でも氷点下になるので、道中の水分補給の為に「サーモス」は必須になります。

私は、トレッキングでよく使用していたチューブから飲む方法で挑んだのですが、ベースキャンプから上はチューブの水が凍って飲めなくなり危うく干からびかけました。必ず魔法瓶は持って行きましょう。

山で使うように設計されたものなので、厚手の手袋をしたままでも操作できたりなど考え抜かれています。容量は0.5Lタイプと0.9Lの2種類あるのですが、0.5Lでは全然足りないので、0.9Lがおすすめ。

日焼け止め

何も対策をしなければ、日焼けするというよりも火傷するレベルの紫外線です。絶対に日焼け止めは持って行きましょう。

私の場合は、激しい息遣いのためよく口を開けていたことと、時期的に雪に覆われている所が多くその照り返しがキツかったという条件が重なったせいで、口の中まで日焼けでただれるほどでした。

登山の鉄板日焼け止めは「アウトドアUV」で、SPF50+なので効果も高いのですが、スティックタイプなので気軽に塗り直しが出来ます。

もう塗りすぎと思うくらいでも足りません。どんどん塗り重ねましょう。それでも日焼けします。

デポ用ボストンバッグ

このバッグが2つ必要になります。レンタルするよりも安いので手に入れてください。

まず1つ目が、宿に預けておく荷物入れとして必要です。街用の服など、山に不要なものはすべて宿に預けておくのですが、それらの荷物を一つにまとめておくためのバッグです。持参のキャリーケース等で事足りるのであれば不要です。

そして2つ目が、ムーラに預ける荷物用として必要です。入れる物の大半は食料になると思いますが、現地でバッグを借りると数十ドルとられます。ベースキャンプで荷物を受け取ってからは、次のキャンプへ荷運びする際のデポジット用としても利用できます。

プロトレック

時計に加えて方位、高度、温度、気圧、GPS、10気圧防水、ソーラー充電の機能が入った全部入りハイテクアウトドアギア。

特に単独行の場合は、天候も高度も温度も全て自分一人で管理、判断しなければならないので、この時計のサポートがあれば非常に心強いでしょう。

この最新モデルでは、従来よりコンパクトかつ計測精度を高めたセンサーを搭載し、グローブをしながらでも操作しやすい設計になっているなど、まさにこの登山のために生まれかのような時計です。

サングラス

紫外線から目を守るためにサングラスは必ず必要になりますが、個人的にはゴーグルまではいらないと思います。

紫外線が100%カット出来て、顔にフィットするようなカーブのサングラスであればこのサングラスでなくてもまったく問題ありません。

あればよかったもの

私は持って行っていないのですが、あれば良かったと感じたものです。予算やバックの余裕があれば検討してみてください。

テントシューズ

 

その他持って行くもの一覧

  1. ハンドタオル(あるもので十分)
  2. 小さめの石鹸(洗濯と手洗い用)
  3. ダイアモックス(現地で調達可能)
  4. 薬(鎮痛剤、外傷薬、胃腸薬)
  5. スプーン、ライター(現地で調達可能)
  6. ペットボトル(水を汲んだり湯たんぽとして)
  7. ビニール袋(雪集め用)
  8. トイレットペーパー(芯を抜いたもの一つ)
  9. 地図(現地で調達可能)
  10. 筆記用具とノート(日記書くのをおすすめ)
  11. 食料(これだけは外せないという物だけ日本から持ってきて、あとは現地調達)
  12. 充電機器類など

おすすめ装備【レンタル】

出来るだけ購入して自前の物を持って行くのが良いということでお伝えしましたが、何が何でも自前の物が良いかというとそうではありません。

アコンカグアでしか使えないような汎用性の低い物や、日本で需要が低く売れにくい物は、買っても使い道がないのでレンタルする方がいいものもあります。

レンタルした方が良い装備

  • プラスティックブーツ   約130ドル
  • アイゼン(クランポン) 約55ドル

 

その他レンタル価格

  • フード付きダウンジャケット  約110ドル
  • ウォータープルーフジャケット 約70ドル
  • ゲイター・スパッツ 約26ドル
  • 寝袋-30℃まで 約200ドル
  • ストック×2本 約90ドル
  • オーバーミトン 約45ドル
  • オーバーパンツ  約60ドル

値段は借りる場所によっても違うと思うので参考程度にしてもらえればと思います。

また、どんなものを借りたらよいかは店員がアドバイスしてくれるので、持っているものを説明して、あとは何が足りないかを聞いてみたらよいでしょう。

アコンカグア登山Q&A

Q. ガイドは必要?

A.ノーマルルートであれば、道は基本一本道なのでわかりやすくガイドは不要です。ただ、積雪がある場合は道が一時的に消えて分からなくなったり、体調が悪くなった時など、ガイドがいればというシチュエーションになる場合もあるので、心配であればツアー会社に相談してみましょう。

Q. 登山技術は必要?

A.積雪がない限りは、重い荷物を背負って歩ける体力さえあれば十分ですが、猛烈な寒さとビエントブランコと呼ばれる吹雪に見舞われる場合がありますので、状況の判断力は必要になります。

Q. どれくらいの体力が必要?

A.空気が薄い高所での長期間のテント生活、90km以上の距離を重い荷物を背負っての移動、各キャンプでの荷揚げ、10時間以上かかるアタックなど、多大なストレスが登山者に降りかかります。これらをクリアするには強い体力と精神力が必要です。決して楽な登山ではありません。

Q. 危険個所はある?

A.ラスト300m(大トラバース後)のグランカナレータと呼ばれるガレ場は、急坂で足場が安定しないため危険。全体通して下りは荷が重いので膝を傷めないよう注意。

Q. かかる費用は?

A.このブログの内容で道具を自前で揃えたとして

航空券:約30万
登山許可証:約9万
レンタル:約5万
登山道具:約24万
ムーラ:約2.5万
食料:約1万
現地滞在費:1日0.6万/1人(最低限レベル)

Q. 積雪は?

A.ハイシーズンであってもベースキャンプから上は積雪がある前提で道具を準備する必要があります。

Q. 気温はどれくらい?

A.標高に時期や天候、日中と夜では大きく変わります。大切なのは、もし天候が崩れて気温が低下しても耐えられる装備を備えること。山頂付近では条件が重なると-30℃にもなることがあると言われていますので、それ相応の準備はしていきましょう。

ちなみに私が行った2月後半の4,350mのベースキャンプでは、日中は±0℃くらい、夜で-10℃くらいになっていました。さらに、標高が100m高くなると0.6℃下がると言われていますので、ある程度は参考になると思います。

日本で高度順応は必要?

A.日本で高度トレーニングはMAXでも富士山の3,700mまでしか出来ません。アコンカグアで言うとベースキャンプまでも達しない高度です。特殊なトレーニング施設でない限りは日本で高度順応は出来ないので、本番でゆっくり順応しながら登る必要があります。

ダイアモックスは必要?

A.ダイアモックスは高山病に効果があるとまことしやかに噂されています。効果のほどはわかりませんが、私も現地で購入(簡単に手に入ります)して服用していました。

Q. ツアーで行くか?個人で行くか?

A.私は個人でしか行ったことがないのですが、ツアーのいいところは煩わしい準備に体力と時間を奪われることなく、登山に集中出来ることです。一方個人で手配する場合は、時間があって面倒なことさえ何とかなれば、費用はツアーで行くよりも大幅に安く行くことができます。これはそれぞれで取り巻く環境が違うので、一概にどちらが良いかというのは言えません。

Q. 何日間で登頂してメンドーサまで帰ってこられる?

A.高度順応が順調で、天候も良い状態が続くのであれば、一般的な日程で10日~16日間は登山のみで必要です。

Q. 登山のシーズンはいつ?

A.11月中頃から3月中頃までの4ヵ月間となります。それ以外の時期でも登山は可能ですが、ツアーもなくベースキャンプの業者やレンジャーが撤退してサポートが受けられないため、一般のクライマーにとっては現実的ではありません。

Q. 水はどのように調達するの?

A.プラサデムーラのベースキャンプまでは、雪解け水を利用した水の補給場所があるので問題ありません。しかし、ベースキャンプより上は積もっている雪を溶かして水を作る必要があるので、キャンプ場に着いたらまず雪集めが仕事になります。


 

ローシーズン(2月後半から3月前半)に私が登山した際の挑戦記を書きましたので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

 

2017/11/07