アーロンチェア・リマスタード用ヘッドレストの5種類を比較しました
※2022年4月、比較を3種→5種に更新
日本で販売しているアーロンチェア専用のヘッドレストをまとめて比較しました。
私は2017年に購入してから使い続けているヘビーユーザーなので、その経験も交えつつ紹介出来たらと思います。
アーロンチェアリマスタード本体の記事はこちら。
アーロンチェアにはメーカー純正のヘッドレストは存在しません。ヘッドレストを付けたいなら社外品(サードパーティ製)の中から選ぶ必要があります。
アーロンチェアは新品で購入すると20万以上する高機能ワークチェア。せっかく買った憧れのアーロンチェアに、安っぽかったり、デザインがそぐわないヘッドレストは付けたくないですよね。
そこで、今流通しているアーロンチェア専用に設計されたヘッドレストを調査し、自身の使用経験も踏まえて評価してみました。
ヘッドレストの必要性と種類
アーロンチェアに必要というよりも、アーロンチェアでリラックスしたい人だけに必要だと考えています。
普通に座っている分には、頭はヘッドレストに触れることがないのでまったく必要性を感じません。そもそも、頭のサポートが必要な椅子であればメーカーが初めから付けているでしょう。
しかしリクライニングして体を休めるときはどうでしょうか。
一日中椅子に座っていると、疲れてひと休みしたくなる瞬間が必ず訪れますが、その時にヘッドレストがないと頭を支えられずまったく休むことができません。
ベッドで横になればいいじゃないかと思うかもしれませんが、わざわざ移動して横になるほどでもない休憩ですし、それに眠いのに歩いてベッドまで行ったらなぜか眠れなくなったりするので、思い立ったその瞬間に最小限の労力で横になりたいのです。
たったそれだけの理由ですが、私にとってヘッドレストは必須。仕事用の椅子でヘッドレストが付いていない椅子は絶対に選びません。それほどにヘッドレストは重要なパーツの一部と考えています。
選べるヘッドレストの種類は5つ
日本で販売されているアーロンチェア専用のヘッドレストは、全て海外製の輸入品で国産はありません。複数の輸入代理店がそれぞれで違う名前を付けて販売しているので、検索すると一見多く見えます。が、中身は同じものだったりしますので、まとめると下記の5種類になりました。※2022年4月現在
- Atlas Headrest
- EJ-Aeron-HR
- HR-03
- HR-04
- Aeron Sense
アーロンチェアの本場アメリカではもっと選択肢は多いのですが、日本で販売されていて実績もあるのは基本この5種類だけ。厳密にはもう少しあるのですが、あまりにチープだったり評価が悪いなど、比較する価値もない商品は省いています。
口コミを見ると、バリや傷・変色など、品質に問題があるという内容も多く見られたので、アーロンチェア本体のような品質とはいかないようです。が、デザインはどれもアーロンチェア専用に作られただけあって洗練されていますし、色やメッシュの張り方などもそっくりに作られています。
それぞれ特徴が違いますので、5種類のヘッドレストを詳しく見ていきましょう。
Atlas Headrest
- 比較商品の中で最も広い可動領域
- メッシュやカラーが本家とかなり近い
- フレームのカーブにぴったりで負荷をかけにくい固定金具
- ヘッドレスト位置の完全固定が可能
- 専用設計による統一感のあるデザイン
- 取り付けが簡単
- 価格は最も高い
これは私が購入(2017年頃)した頃には無かった商品ですが、近年日本で発売され評価が高い商品です。
それもそのはず、このAtlas Headrestという会社はハーマンミラー社で働いていたデザイナーとエンジニアが立ち上げた会社というではありませんか。
他のヘッドレストメーカーは少し安っぽい品質が多い中、素材なども知り尽くしているであろう元社員が、専用設計と謳うということはもう期待しかありません。
『Atlas Headrest』をもっと詳しく
百閒は一見に如かずということで、動画で見て頂くのが早いかもしれません。
殆どの人にフィットしそうな幅広い可動域、そしてベストな位置で完全固定できる機能性、肩口から頭まで幅広く支えてくれる大きなサイズと形状、本家に近いフレームやメッシュ素材など、全て高いレベルでまとまっています。
価格さえ許容できるのであれば、これがベストな選択ではないでしょうか。少なくとも、私は次買うとしたらまず間違いなくこちらを選びます。
しかも、いかにもフレームに優しそうなカーブに沿って固定する方法は、傷もつきにくいばかりでなくがたつきなども出にくいことでしょう。
ただ、惜しむらくはアーロンチェアのクラシックバージョンしか在庫が無いことです。リマスタードのメッシュデザインも商品ページは存在しましたが、長らく在庫切れで購入できませんでした。
本家のアメリカでは、リマスタードに合うメッシュとカラーバリエーションもあるので、個人で輸入するという選択肢もアリかもしれません。
購入場所と価格
※2022年4月時点の価格
Atlas Headrest | 金額(税込) | 送料 |
---|---|---|
Amazon | ¥29,999 | 無料 |
楽天 | 販売なし | - |
Yahoo | 販売なし | - |
現時点ではAmazonでしか販売していませんでした。価格は一番高いですが、それに見合うかなり良い商品ですね。
褒めてばっかりで嫌になるんですが、もう一ついいところがありました。実はこのAtlas Headrest、メーカーのウェブサイトがあるのです。
そこにどんなふうに開発されていったのか、また製品の試験内容などが掲載されており、より深く製品のことを知ることが出来きました。さすが本家のハーマンミラー社出身の人が関わっている会社だけのことはあり、ちゃんとしています。
https://atlasheadrest.com/
他に紹介しているヘッドレストは中華系ですが、私の調べる限り公式サイトは見つかりませんでしたので、差別化ができて更に好印象でした。
EJ-Aeron-HR
- 狭い可動領域
- フレームに負荷をかけにくい固定金具
- メッシュデザインが本家と全く違う
- 取り付けが簡単
- 価格は最も安い
購入場所と価格
※2022年4月時点の価格
EJ-Aeron-HR | 金額(税込) | 送料 |
---|---|---|
Amazon | ¥12,720 | 無料 |
楽天 | ¥15,654 | 無料 |
Yahoo | ¥15,143 | ¥850 |
価格は最も安く購入できるヘッドレストになります。
しかし、サイズも小さく、メッシュデザインはクッション調で本家に近いとはいいがたく、そこは値段なりという印象。
あとAmazonレビューで、体を背もたれに預けると頭だけが前に押し出される形になって、全然リラックスできないという人もいました。
画像を見る限り確かに前に出過ぎいて調整もほとんど出来ないので、リラックスするためではなく作業の姿勢をサポートする用途のヘッドレストかもしれません。
私の用途では寝るために使うので、早々に選択肢からは外れました。
HR-03
- 幅広い可動領域
- 簡単な操作性の半面、寄りかかると動いてしまいやすい
- メッシュの張り方で2種類から選べる
- 爪を立てるように固定するため、椅子本体に傷がつきやすい
- 専用設計による統一感のあるデザイン
- 取り付けが簡単
- 価格は真ん中くらい
『HR-03』は『HR-04』の旧モデルのような位置づけですが、サイズが違うためそのまま並行して販売されており、価格も小さいHR-03の方が安くなっています。
『HR-03』はこんな人におすすめ
メッシュタイプが2種類から選べる
アーロンチェアは、数年前にメッシュ部分も含めて大幅なモデルチェンジを行いました。
その新旧どちらのアーロンチェアにも対応した2種類のメッシュ地から選ぶことが出来ます。
リマスタードに今までのクラシックに似せたヘッドレストでは、メッシュの色や貼り方にやや違和感がありましたので、これは高評価です。
シルバー系のアーロンチェアを持っている
シルバー系の色である”ジンク”があるのは『HR-03』だけ。 → 2022年4月現在、このシルバーの取り扱いがどのサイトからも無くなっていました。
アーロンチェア本体カラーで、チタニウム(クラシック)、ミネラル(リマスタード)のシルバー系を購入されている場合は、このジンクという色がよくマッチします。
頻繁にポジション調整をする
無段階で動くので、角度や位置のキメ細かな調整が可能です。
また座りながらでもぐりぐり動かせるため、頻繁にヘッドレストのポジションを変えるという人にはぴったり。
『HR-03』の注意点
簡単に調整できる反面、動きやすい
説明動画を見ていて個人的に不安になったポイントが、角度や向き、高さを簡単に調整できるということが売りではある反面、強めに寄りかかると動いてしまうのではないかという点です。
ショップのレビューを見ていると、やはり「勝手に動いてしまう」「固定できない」などの不満点が挙げられているのを見て、やっぱりなという感じがしました。
軸のネジを強く締め込んでもやっぱり動いてしまうそう。
動かしやすいということと完全固定するというのはトレードオフの関係なので、どちらの機能も完璧に備えるというのは設計上難しいのでしょう。
アーロンチェアに負荷がかかりやすい
爪を立て引っ掛けるタイプの固定方法は、面ではなく点でアーロンチェア本体と接するためその部分に傷が入りやすい。
取付ける際はクッションの役割を果たす緩衝材を間に挟むことを推奨します。
その際には、ゴムやウレタン系の素材は後でべたつく原因にもなるので避けた方が無難です。
購入場所と価格
※2022年4月時点の価格
HR-03 | 金額(税込) | 送料 |
---|---|---|
Amazon | ¥24,800 | 無料 |
楽天 | ¥24,800 | 無料 |
Yahoo | ¥24,800 | 無料 |
ショップによっては取付部の傷を防ぐ「傷防止パーツ」なるクッション性のあるオマケがついてきます。
ただこのオマケのシート、よくある滑り止めシートと同じようなウレタン系の素材なので、長期間使用すると剥がす時に跡が残る可能性が高いです。
使用する場合は写真のように、アーロンチェア側に薄い布地を挟み込むようにすると安心です。
HR-04
- 幅広い可動領域
- 簡単な操作性の半面、寄りかかると動いてしまいやすい
- サイズが大きく大柄な人でも対応可
- 前傾チルト時にもサポート可能
- 専用設計による統一感のあるデザイン
- 取り付けが簡単
- 価格は高い
見た目と品番がそっくりな『HR-03』と『HR-04』は兄弟品で、『HR-03』を改良しバージョンアップしたものが『HR-04』になります。
・より背の大きな方向けに改良
・前傾チルトに対応
ほとんどは『HR-03』と同じなので、違いの部分だけ解説します。
HR-03→HR-04の変更点
良く分かる比較動画
比較動画見つけました。英語なので自動翻訳を日本語にしてご覧ください。
HR-04がずいぶんと大きくなっているのが良く分かります。
カラーバリエーションが無くなった
販売元に電話で確認しましたが、シルバー系のカラーバリエーションはありませんでした。
なお、輸入元のアメリカでは『HR-04』のシルバー色が販売されていますので、どうしても欲しい方はアメリカ版Amazonで個人輸入しましょう。
20%サイズアップ。背が高くてももう大丈夫
HR-03に比べてヘッドレストのサイズが20%もサイズアップしました。リクライニング中に頭を良く動かす人はこちらの方が満足できそうです。
首の部分もかなり長くなったので、座高や背が高いと言う人には『HR-04』一択になるでしょう。
その反面、背が低い人には位置が高くすぎるので、アーロンチェアの背もたれ部分から自分の頭がどれくらい出ているのか、本当にこの高さで大丈夫かを確認することが重要になります。
前傾チルトに対応した
首の部分がかなり長くなったので、前傾姿勢になっても頭に届くようになったようです。
しかしこの機能を使うことは実際ほとんど無いと思います。
普通の使い方では、前傾チルト時、通常姿勢時はヘッドレストに寄りかかる必要が無く、むしろ邪魔にさえなり得ます。
口コミを見ても同様の書込みがあったりするので、この機能については過度の期待は禁物です。
購入場所と価格
※2022年4月時点の価格
HR-04 | 金額(税込) | 送料 |
---|---|---|
Amazon | ¥29,800 | 無料 |
楽天 | ¥29,800 | 無料 |
Yahoo | 販売なし | - |
『HR-03』の改良品ということで、サイズアップとともに値段の方もしっかりアップしています。
ただせっかくのアーロンチェアですから、値段だけで決めるよりも機能や使い勝手も考慮して、後悔のない選択にしたいですね。
AeronSense(アーロンセンス)
- 幅広い可動領域
- フレームに負荷をかけにくい固定金具
- ヘッドレスト位置の完全固定が可能
- 服をかけられるハンガーオプション付
- 専用設計による統一感のあるデザイン
- 取付方法が若干複雑
- 価格は2番目に安い
『Aeron HQ』という香港に本社がある会社が作っていて、日本では『テンポイント』という会社のみが輸入、販売をしている正規代理店となっているようです。
AeronSense(アーロンセンス)という商品名にしていますが、日本の代理店サイトや香港にある本社HPを見ても分かりやすい商品名がなく、たぶんこれかなという名前を勝手に拾って名付けたため、あまり自信はありません。
『AeronSense』はこんな人におすすめ
椅子の形にフィットする負荷の少ないタイプを選びたい
フレームの形に添った専用設計で取付部がぴったりフィットするため、安定感や傷のつきにくさで選ぶなら『AeronSense』に軍配が上がるでしょう。
他社製は点で支え、こちらは面で支えてるというイメージです。
ハンガー機能
よく椅子に服を掛ける人にはハンガーの機能があればとっても便利。
メーカー純正品でも同様のジャケットハンガーというオプションがあるのですが、それが6,480円(税込)もするんです。
このヘッドレストはもれなくハンガーもセットになって付いてくるので、プラス6,480円の価値がこのヘッドレストにはあると考えると非常にお得ですよね。
ちなみにこのハンガー、「今だけの特典!」としているショップもありますが、今のところずっと付いていますので気にされなくてもいいかと思います。
角度や位置の完全固定が可能
他の二つと違うのは、ヘッドレストのポジションを完全に固定できるのが最大の特徴。
強く寄り掛かったときでも角度などが変わることが無く、安心して頭を預けてリラックスすることが出来ます。
『AeronSense』の注意点
取付けは他二つよりも面倒
ハンガーのパーツがあったり、固定式のパーツを組み入れたりする必要があるので、他二つに比べると取付難易度は上がります。とはいえ簡単な構造ですし、写真が載った説明書も付いてくるので難しすぎて取り付けられないということはないでしょう。
角度調整が面倒
メリットとして挙げたポジションの完全固定ですが、頻繁に角度を変える人にとってはデメリットにもなり得ます。
ポジション調整には、つまみを回したり付属の六角レンチでボルトを緩めたりしないとならないので、座りながら気軽に動かすといったことができません。
個人的には寝るとき用のヘッドレストなので、位置調整することもなく完全固定の方が恩恵が大きいためこのタイプに決めましたが、人により評価の分かれるところです。
このように付属の六角レンチをヘッドレストに収納できるというのは嬉しいポイントです。
こういう小さな工具っていつの間にか紛失して、使いたいときに出てこないということが往々にしてありますからね。
購入場所と価格
※2022年4月時点の価格
AeronSense | 金額 (税込) | 送料 (本州・四国) |
---|---|---|
Amazon | 販売無し | - |
楽天 | ¥16,280 | ¥700 |
Yahoo | ¥16,280 | ¥600 |
こちらは他の2つとは違って送料が別になっていますが、合計してもこちらの方が安くなっています。
私は『完全固定が可能』という理由が一番大きくこちらの機種を購入しました。
こちらのヘッドレストを1年使ったレビューはこちら。
5つのヘッドレストはリマスタードにも取付可能
ヘッドレスト取付はリマスタードを含め、どのタイプのアーロンチェアでも問題なく可能です。サイズによる問題もありません。
ただし、アーロンチェアはリマスタードになってカラーバリエーションとメッシュデザインが一新されましたが、ヘッドレストは旧タイプのクラシックから変更がないため、リマスタード本体に比べてカラーとメッシュの織り方が若干異なって見えます。
店舗では販売していません
どこの店舗にも売っていないので、ネットショッピングで手に入れるしかありません。
楽天、Amazon、ヤフーショッピングで取り扱いしていました。
ヘッドレストを取付けて傷がついたら補償対象外!?
アーロンチェアには12年保証という驚異的な補償体制がありますが、それは正しい使い方をして壊れた場合の話。
アーロンチェアのフレーム部は、ヘッドレストを付けることを想定して設計されていないため、ヘッドレストを付けたことが原因の破損や故障は12年補償の対象外になります。
つまり、ヘッドレストを固定するために思いっきり締め込んでフレームが割れてしまっても、ヘッドレストの販売店が対応できないのはもちろんのこと、ハーマンミラーでも直すのは有償になりますよということです。
取付けてみた感想では、そんなやわなフレームではないのでちょっと強く締めた程度で破損することは考えにくいですが、一応頭に留めておきましょう。
比較まとめ
購入当時は、AeronSense(アーロンセンス)が一番価格と機能のバランスが取れていて、かつ一度決めたら動かないという固定力が理由でこちらを選びました。
しかし、改めて2022年になって調べ直してみると、新たにAtlas Headrestという商品が頭角を現してきており、非常に魅力的な商品となっていました。少々値は張りますが、今選ぶとするならこれを選ぶと思います。
みなさんそれぞれ重要だと考える機能は違うと思いますので、この記事で目的に沿ったヘッドレストが決めてもらえれば嬉しいです。
※執筆当時の2018年から定期的に価格のチェックをしていますが、どんどん値上がりして行っています。恐らくこれからもそのトレンドは続くと思われますので、検討されている方はお早めをおすすめします。
私が購入したヘッドレストはこちら。
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